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滔辺 / to hen

To hen is the inexplicable area within me, the origin of everything I am.

小さい頃、近所に流れる川の源流を目指して

ひとり自転車に乗って旅をした

護岸工事などで川は変形し、知らない街のコンクリートの下を通り抜け

川はとても細くなっていった


陽も傾き始め、雪が所々に残る山間に差し掛かる頃、

辺には冷たい空気が漂っていた


山の奥へと消えていく川


私はそれ以上先へ進むことが出来ず、山の入り口で立ち尽くしていた


その先に何があるのだろうかという好奇心と、

踏み入ってはいけない場所だという畏怖のようなもの


あの瞬間、私を取り巻いた感覚は、

今でも私がシャッターを切るときに抱く感覚に近い


あのときの感覚とはなんだったのか。あの先に何があるのか

そんなことを知りたくて私は自然の中へ分け入っていく

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